『敦くんには、黒が似合うから。』と、プレゼントしてくれたダウンジャケット。 あいつの右手を掴んで、強く握って照れ隠しで押し込んだポケットや、 いつも歩き出すときは、数歩先を行く癖のあった俺に、小走りで駆け寄って『追いついた。』と掴んだ袖や、 『こわいこわい』と、泣きながら顔を埋めた胸元。 冬がきて、このダウンを引っ張り出す度、あいつが現れる。 このまま着続ければ、いつか汚れて破れてしまう。 .