なんとか時間をかけて、俺の息が整った。 俺を覗き込んだ秋野は、 「春川さん。ありがとうございました。」 丁寧に頭を下げた。 「べつに、お前を助けた訳じゃねぇよ。俺が危なかったからな。」 そんな俺の言葉に、 「ふふ。ありがとうございますぅ。」 繰り返した秋野。 「でもまさか、逃げるとは思わなかったですぅ。」 なんて、くすくすと笑った。 「ああいう場合はなー、逃げるって相場が決まってんだよ。ナイフ持ってたんだぞ?怪我したくねーだろ。」 .