あの日の後悔を今君に

そうやって勉強を教え合ううちに気づけば先生の似顔絵を書いて笑いあったり、兄弟のことについて話したり、数学の時間は唯一彼と話せる幸せな時間になっていた。

しかしその頃から、「陽菜って柊くんのこと好きなんでしょ?」と友達に聞かれるようになった。

柊くんとは 柊 聖 (ひいらぎせい)
という学年で1番モテていた人物のことだ。

その度に「え?違うよ!」
と言ってはいたけれど、あまりにも多くの人に聞かれるからとても不思議に思っていた。

──そういえば高橋くんにも聞かれた気がするあの時なんて答えたんだっけ?

まー今更考えたところで高橋くんに聞けることはもう一生ないだろう。

卒業した今、まだ関わりのある人はほんとに仲の良かった数人だけだ。

でももし、"あの時" 私に勇気があれば高橋くんは今でもいつでも話しのできる距離にいてくれたのかな──