冬の春


「ちょっと! 調子いいこと言って。さっきまで仕事どころかぐったりしてたくせに!」


さっきから睨みつけていた先輩が肘で突っついてきた。


「すみませ~ん」


と、可愛く謝る。

先輩はムッとしていたけど、


「で、誰?」


と、興味津々の顔で訊いてきた。


「先輩も会ったことないですか?」

「うん。カッコイイ人ね」

「ですよね。先月から設計部二課のプロジェクトに参加してるみたいです」


私の言葉に先輩は考え込む。


「もしかしてあの人かな?」

「知ってるんですか?」

「うん、営業の子が噂してた」

「どんな?」

「カッコイイ建築家がいるって」


ムムム!
敵は多そう……

先輩もライバル?

って思ったけど、婚約してるから安心安心!