冬の春


案の定、翌日は二日酔いだった。


酷い頭痛で、顔はむくんでいる。

化粧のノリが悪い。


ああ、最悪な顔!!


それでも一応、受付業務をこなしていると突然、声をかけられた。


「こんにちわ」


顔を上げると、カウンターを隔てて高城さんが立っていた。


ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!

こんな顔の日にぃぃぃぃぃぃいい!!!


私は咄嗟に両手で顔を隠した。


「どうしたの?」

「いぃぇ……」


ど、どうしよう……

このままじゃ、アホな女だと思われちゃう。

酷い顔でもいいから、ビシッとした姿を見せなくちゃ!



「びっくりしてしまいました。こんにちわ」


とニコッと微笑んだけど、引き攣った笑顔になってしまった。


「顔色悪いけど、大丈夫?」

「えぇ……はい。さっきまで仕事が忙しかったんです。でも今は平気ですよ」


今度こそ、にこやかに微笑んだ。

隣に座っている先輩が、ギロッって睨んでいるけど気にしない。


「昨日はありがとう。良かったら、また食べに来てください」

「もちろんです。美味しかったので、ぜひ伺います♪」


私のテンションは一気に上昇した。


「じゃあ、また」


高城さんは、あの爽やかスマイルをしてエレベーターに向かい、私は彼が乗るまで見送った。