時は大正時代。

一人の男性が女性に恋をする。または女性が男性に恋をする当たり前の時代。

だが、青月雪斗(あおづきゆきと)という男は、女性ではなく「一人の男性」に恋心を抱いている。周りからにすれば、絶対に有り得ないことだった。

しかし、男性が男性に恋をすることに否定をしない者もいた。

青月雪斗の妹・藤堂捺姫(とうどうなつき)

雪斗に片想いをしている・碧川一颯(みどりかわいぶき)

藤堂捺姫が働いている喫茶店・ツバキのオーナー・神宮寺吉継(じんぐうじよしつぐ)

そして、雪斗が片想いをしている男・白月凛空(しろつきりく)

そのまた白月凛空も雪斗に恋をし、片想い中でおり、雪斗以外全員「両想い」だと気づいている。

凛空は自分の気持ちに気づいて欲しくて雪斗にちょっかいを出したり、後ろから抱きついたり、両腕を雪斗の首に回したりするが、雪斗は全く気づかず、頬を赤く染めたりはするが両想いだと一ミリも気づかない。

そんな二人のやり取りを毎日見ている妹の捺姫は今日も

「早うくっつけよ兄上様よ」

と思ったのであった。