「うん、本格的に背が伸び始めたのは中学三年生からだよ。
それまでは凪咲と身長も同じ位でさ」

「そうだったんだ! 今日実家に行ったら小さい頃のアルバム見せてもらおう~っと!」

私が初めて海鳳に出会った時はまだ中学校に上がる前だったはずだけど、すごく背が大きかったイメージしかない。

まあ、私も五歳だったから大きく見えただけなのだろうか。

「うわあ、マジで勘弁してほしい。女の子みたいって言われてたんだから、そんなかっこ悪い姿雪穂に見せたくないな。
でも凪咲は喜んで見せそうだな」

「うわあ!絶対見てみたい!女の子っぽい海鳳なんて想像つかない!」

「はいはい。きっと凪咲が面白がって見せてくれるよ。 それより買い物済ませちゃおう。
欲しい物があるんだろう?」

「うんっ。雑貨屋さんに行きたいのっ。 海鳳とペアの可愛い珈琲カップ欲しいんだ。」

「またそんな物でいいの?  雪穂物欲がすごいって結婚する前言ってたのに、全然高い物欲しがらないじゃん。
生活費だって渡してるのに、いつも余らせてるしさ。 もっと自分の欲しい物買ってもいいんだよ?」