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「びっくりしたよ、帰って来たらいないから」

「ご、ごめんね。実は愛莉にご飯に誘われて一緒に行ってたんだ」

「そうだったんだ、愛莉ちゃんと。 でも良かった、連絡がないから心配してたんだ。」

マンションに着くと、既に海鳳は帰って来ていた。
慌てて帰ってきたつもりだったが、海鳳の方が一足先だったか。

「そ、そう言えばこの間の結婚式のフォトアルバムとDVDが完成したんだよ~~っ
今度一緒に二人でゆっくり見ようと思ってたの!
今珈琲淹れるね!」

テーブルの上にアルバムとDVDを置くと、そそくさとキッチンへ消える。
カップを二つ用意すると、珈琲メーカーの電源を淹れる。
大丈夫、さっき会ったアイリーンが私だと気づいている様子は全くない。

ちらりと海鳳が座るソファーを見つめると、彼がアルバムをゆっくりと開いている。
手を止めたのは、参列者が皆で写っている集合写真だった。

「海鳳~、何見てるの?」