「成瀬さんも今日は北海道からお越しくださってありがとうございます。
まさか海鳳のお嫁さんになる人が成瀬さんの娘さんだったなんて…
本当に運命ってあるものですね。」
東京で結婚式を挙げる都合で、昨日の夜から両親と兄が北海道から上京していた。
私が海鳳との結婚を大歓迎されたのは、私の母と海鳳の母に少しだけ縁があったのも一因であるとは思う。
「本当に……まさか雪穂がお付き合いしている人がいるって連れて来たのが海鳳君だったなんて…。
縁というのはあるものなのですね」
父は普通の転勤族のサラリーマンで、私が小学校に上がる前は家族で東京に住んでいた。
兄と海鳳と凪咲さんがその頃同級生で、母は海鳳のお母様とも縁があったらしい。
普通の主婦と女医さん、一見どこにも繋がりなんてなさそうだけど二人は良く気が合ったらしい。
幼い頃、早乙女家のホームパーティーに呼ばれたのもそういった縁があったからしい。 北海道に転勤になってから疎遠になってしまったけれど、まさか子供同士が結婚するなんて夢にも思わなかったに違いない。



