「なにこれ!素敵!」
「私の泊っているホテルと全然違う!」
「ここ、最上階?!」
部屋は広く高級感のある造りだ、クイーンサイズのベッドにミニバー。 寒い程冷房がキンキンに効いている。
バスルームも広く、シャワー室も個室で完備されている。
何よりも大きな窓からは、宝石箱のようなラスベガスの街が一望できる。
膝の怪我も忘れて室内を飛び回る私に、海鳳はくすりと笑みを落とし椅子に座れと促す。
「取り合えず、傷の治療をしよう。ばい菌が入ってしまっては大変だからね。座って?」
「あっ…はい。何かすいません…。では、失礼します」
一人掛けのチェアに腰をおろすと、海鳳は鞄から消毒液を取り出してガーゼで膝に充てる。
「痛っ」
「大丈夫。この位の傷なら直ぐに治っちゃうから」
そういえば、同じ病院で働いてはいるけれどこうやって海鳳に治療してもらうのは初めてだ。



