迷いの森の仮面夫婦


「はぁ~~~……」

取り合えず、露店にあったアイスを買う事にする。

「アイス!!バニラ!!ハイハイ、オッケー、チョコレートスプレー、トッピング!!オッケー!サンキュー」

この会話がまかり通ってしまう事も恐ろしい。 手の中にはバニラアイスにカラフルなチョコレートスプレーがトッピングされたアイス。

美味しいけれど、外国の物って食べた瞬間太る味がする。

日本人は何人か見つけたけれど、それは当たり前に海鳳ではなかった。
途方に暮れながらもエクスペリエンスのカジノビルを見上げてアイスを頬張る。

その時、一人の白人男性がにこりと笑って私の前にやって来た。
取り合えず笑顔でにこりと返すと次に早口の英語で何かをまくしたてた。

さっぱり早口で聞き取れない。「ノー、ノー、イングリッシュ!」 というとかろうじて「ジャパニーズ?」という単語は聞き取れた。

「イエス」と言うと彼はまた早口で英語を喋り出し、何を言っているのか分からずにアハハと笑って誤魔化し続けた。

その対応が悪かったのか、彼は突然私の腕を強引に引っ張りだした。
?!?!?