何とか愛莉を宥めて、表へ出て行くと
海鳳は今にも眠ってしまいそうな顔をして椅子に腰をおろしていた。
しどろもどろになりながらも今日は坂上先生の出勤はないと説明をして、自分の占いは良く当たると必死にアピールをすると
海鳳は酔いもあってかすんなりと占いを受けてくれる事になった。
愛莉の見様見真似で彼に紙に名前を書いてもらい、適当に数字を書きだし計算する振りをする。 相手は所詮酔っ払いだ。
「今日担当をつとめさせてもらいます、アイリーンと申します。
え~っと早乙女 海鳳さんですね。
今名前と生年月日で計算をさせて頂いたんですが、すごい強運の持ち主ですっ!」
「強運ですか?」
酔っぱらっているせいか、いつもの柔らかい雰囲気の海鳳とは雰囲気が違う。
どこか皮肉めいた笑みを浮かべて、自分の名前と生年月日が書いてある紙に目を落とす。
「何をやっても成功すると出ています!
職業は、もしかして医療関係ではないですか?」
そう言うと、海鳳は感心したように顔を上げた。 酔っぱらって、目がとろんとしている。 そんな姿も素敵で、思わず見惚れてしまう。



