迷いの森の仮面夫婦


「あははっ。 それでも俺は、雪穂に似た子がいい。
それからもう一つ、これから先命がつきるその日まで
お互いを永遠に愛する事」

「そんなのっ…そんなのっ…
約束なんかしなくたって私は絶対に守れるもんっ……
う……海鳳の事好きなのなら誰にも負けないんだからっ
それに絶対に気持ち変わらない!」

改めて言葉にすると涙で視界がぼやける。 そんな私を再びぎゅっと抱き寄せて、おでこにキスを落とした海鳳は笑った。

二人の子供を作る事。 そしてお互い永遠に愛する事。
始めにした約束とまるで正反対の約束。

それを胸に抱いて、今手にしている幸せを再び噛みしめた。

ラスベガスの燦燦とした夜明けが、まるで二人を優しく包んでくれているように思える。
浮かび上がる朝焼けが二人の道しるべの光となり、未来を優しく照らし続ける事だろう。