「もうどこにも行かないよ。 私、ずっと海鳳側にいる。
どんなに迷惑がられてもうざがられても、絶対に離れないんだからっ……」

「これから雪穂を迷惑に思ったりうざくなったりする事なんて絶対ないから。だからずっと俺の側にいて」

冬の冷たい風が間をすり抜けていく。
けれど二人抱きしめ合えば、温かい。

あなたの胸の中であれば、凍てつく冬さえ包み込んでくれる毛布に変わるから――
だから、ずっと私の側にいて下さい。 もう離さない。



あの日、迷いの森であなたに出会ったと思った筈が、それ自体が勘違いだった。
でも私達は、確かに迷いの森に迷い込んだ。

始めは一本道だったはずなのに、自らややこしくして迷路に迷い込んでいく。  けれどどんな道の先でも深い森を抜けると、必ずあなたがいてくれる。

あなたを道しるべに歩いていける。