「うん、コンビニスイーツとか。」
「そんなのプレゼントじゃないじゃんか」
特別な物なんて全然いらなかった。 例えばこんな風に何気ない会話をしながら、二人で寒いねって歩くだけでも海鳳と過ごす毎日ならば特別な物になる。
きらきら光るイルミネーションの前で足を止める。
青白い光が、宝石の様な煌びやかな瞬きを放つ。 それでも私が見ていたのは、そのイルミネーションを見つめる海鳳の整えられた横顔だった。
視線に気が付いた彼が、首を傾げながら柔らかい笑みを作る。
「どうしたの?」
「いや、綺麗だなって」
「確かにイルミネーションすごく綺麗だね」
街を彩るイルミネーションより美しい物。 光によって茶色に透けた髪と同じくらい、澄んだ瞳の彼のブラウンの瞳を見て思ったんだ。
「海鳳の目って本当に綺麗…」
「ええー?俺の目?」



