「ん?どうしたの?」

顔を上げると、薄い唇が綺麗なアーチを描く。だからスマイルラインも美しい。  そういう所も二人よく似ていると思う。

「いえ、凪咲さん、こうやって見ると海鳳とよく似ているなあって思って」

「そう?小さい頃はよく似ているって言われたけど、今は全然似ていないと思うけど。
海鳳の奴いつの間にか身長がすっごく伸びちゃってさ。 小さい頃は女の子みたいな顔してたくせに
今やこんなに可愛い花嫁さん貰っちゃって、結婚しちゃってるんだもんね。 ねぇ、海鳳に嫌な事されてない? 海鳳って言葉足らずだし、何考えてるのかよく分かんない所があるから」

凪咲さんの言葉に首を横に振る。
すると彼女はにんまりと満足そうに笑う。

「海鳳はいつも優しくって、優しすぎるくらいだから私には勿体ない人です。  それに自分の仕事にもプライドを持っていて、働いてる時が一番素敵だし」