「いいのー。絶対雪穂ちゃんに似合うと思ってー。
私の誕生日にもプレゼント貰ってたから早く渡しに行かなくちゃって思ってたんだけど、雪穂ちゃんも海鳳も忙しそうだったから」

「嬉しいです。凪咲さん、ありがとうございます」

二十六歳の誕生日は、生まれてから一番素敵な年になった。

海鳳からも素敵な旅行とプレゼントを貰って、この上ない気持ちに満たされていた…筈だったけれど。

彼への愛が胸に降り積もっていくほど、切なくて心が痛む。  最近はずっと海鳳に優しくされればされる程、苦しくなりばかりだった。

注文していた料理が届いて、凪咲さんがそれを口運ぶ。
伏し目がちなると睫毛が長い所を発見して、海鳳と同じだなぁと感じる。

性格はさばさばとしていて快活でお喋りが好きで、温厚で物静かな彼とは全然違っていたけれど
こうやって改めて観察すると、ふとした仕草がよく似ていると思う。 さすがは双子といったところか。