ベッドがぎしりと軋む音がする。 私に覆いかぶさる海鳳はいつもと変わらない、優しい眼差しを向けてくれる。

’願い事’
私の願い事なんて、本当はたった一つなんだ。  いつか海鳳が本当に私を愛してくれますように、妻として本当の夫婦になりたい。

その願い事を口にすれば、海鳳を困らせる事なんて分かってる。 それでもどんな高級なプレゼントよりも欲しかった。

絶対に心を明け渡さないあなただから――。

「何か、メイドさんにいけない事をしているみたいだ」

私の服に手をかける海鳳の口元がくすりと笑う。

触れた指先に身体はいつものようにすぐ反応してくれる。 今日みたいな日は素直に抱かれたい。そうは思ってもいつもの癖が抜けなくて、唇をぎゅっと噛みしめて声を我慢した。

「声を、我慢しなくていい…」

指先を悪戯に動かしながら、海鳳の唇が首筋を伝う。

「ひゃっ…ん…んあ…」