占いなんて不確かなものは信じないのに、タロットカードが示す言葉が今の自分そのままな気がして怖くなる。

…本当は愛莉ってすごく当たる占い師なんじゃあ…!  いやいや、絶対にそんなことない。占いなんて非科学的なものに左右されない。

首をぶんぶんと横に振って、自分を奮い立たせる。

「らしくないじゃん、占いなんて信じないって馬鹿にしてるあんたがタロットに縋るなんて
しかもタロットはあんたの不安をぴたりと当てているみたいだし」

「だから~~~私な~んも不安じゃないってば……
不安を煽るばかりの占いなんてするもんじゃないね。
気にしない、気にしない」

「何か気になる事があるんでしょう? 海鳳さんと何かあった?」

愛莉の勘の鋭さにはどきりとしてしまう。 能天気に振舞っているつもりなのだが、ばればれのようだ。

けれどもしれっとそれを無視して平気なふりをする。 そうしなかったら、まるで今の幸せを全部否定してしまうようだから。