「鈴貸してくれる?」 「いいよ、好きに使っちゃって?」 そう答えたのは親友の沙紀。沙紀は幸揮の本性を知らない。 あたしと幸揮が付き合い始めたのは、ちょうど2ヶ月前のある日のことだった。 今でも、あの日に戻れたら、なんて思っちゃう。 〜2ヶ月前〜 あたしたちのクラスでは王さまゲームが流行っていた。 「王さまだ〜れ♪」 「あ、俺ー」 王さまになったのは友達の智也君。 「じゃあ7番の人が2番の人の言うことを聞く!」 王様からしてみれば、ただの王様ゲームの命令。