要は、当てずっぽうだった。

単にからかっているいるだけで、本当にそうだとは思わなかったのだ。

前回の学内フォーラムでは、「ミミミシェル」というハンドルネームの人物が例の投稿のIPを確認しようかと提案してきたが、たくさんのネチズンたちの標的にされていた。

なんて偶然!

ニーナは何もすることがなかったので、ミシェルと一緒に残ることにした。 「ええっと、ミミ、一緒についていくわ。あなたの親切のお返しよ。 そんなに細いんだから、 力づくで追い出されたらどうするの?」

彼女は心の中でこの子はとても面白いと思った。

しばらく考えた後、ミシェルはキラキラした目でニーナを見つめる。 「テコンドー知ってる?」

ミシェルが相手にしなければならない男はテコンドーをやっていた。

上手いことやらないと怪我をしかねない。

「いいえ、大丈夫」

彼女の美しい顔が怪我をするのではないかと思い、ミシェルは首を横に振った。 「私は少しやったことあるの。 やったことないなら、一緒に来ないほうがいいわ」

テコンドーは知らなかったが、ニーナは子供の頃から武道をやっていた。 彼女の両親は武道を教えるために特別に先生を雇っていたのだ。 自信を持ってミシェルについていくと言ったのはそんなわけだった。 ニーナは笑顔で「問題ないよ」と答える。

達人とまではいかないが、力強い男たちを何人か倒すくらいなら何とかなる。

二人はエレベーターの音を聞いてそちらに目を向けた。

ようやくエレベーターがやって来たのだ。

ミシェルはあまり考えずにニーナをエレベーターに引っ張り込んだのだが、

ドアが閉まる直前に突然手が伸びてきて、びっくりさせられた。