「間違いない。でも、なんで?こんなことしても意味なんかないのに? 私が綺麗だから嫌ってるの?」

しばらくの間、ニーナはすべてが嘘であるような気がした。

突然、優しい声が彼女の耳に届く。 力強いが、落ち着かせれくれる声だ。

「辛いのか?」

ニーナが振り返ると、人影が現れた。 彼は白いバスケットボール・ウェア姿で、 汗の雫が栗色の短い髪を濡らし、顔に滴り落ちていた。

バスケットボールで疲れているのが見て取れたが、それでも十分かっこいい。

アルバート・ソンはニーナのそばに座って首を傾げ「投稿を見たよ」と言った。

ニーナは取り乱していた。 書き込みのせいでも投稿のせいでもなく、イザベラが投稿したという、その事実のせいで。

「どうした? これがそんなに辛いのか?」
アルバートは、ニーナが他人が何を言おうと気にしないのを知っていた。 然もなくば、この数年間の口さがない噂でとっくに押しつぶされていたはずだ。

「うん」
ニーナは身を仰け反らせるとコンピューターを閉じた。 そして、すっかり落ち込んだ口調で「友達にやられたの」と言った。

「友達?」
アルバートは眉をひそめた。