ハニー、俺の隣に戻っておいで

そのとき、彼はビジネススーツを着ていなかった。 彼が着ていたのは太ももまで届くようなダブダブでシンプルな白いシャツで、 下は黒いズボンを履いていた。 その服装は二十歳の若者のようにシンプルかつカジュアルで、 スーツを着ているときにいつも纏っている重々しいオーラは放っていない。

そんなわけで、ニーナは微かな賞賛をもってジョンを眺め続けた。

いくら気にくわないとはいえ、ジョンが本当に魅力的であることは認めざるを得ない。

「車内に他に誰かいるの?」 ジョンは運転中で前を見つめていたので、ニーナがすでにかなりの時間彼を眺めていることに気づいていなかった。

もし気づいていたら、自分のハンサムで魅力的な顔にますます自信を持ったことだろう。

ニーナの途中で考えるのをやめた。 これでは一人でドキドキするだけではないか。 ジョンをそんなにじっと見つめたりして、挙げ句の果てにそんなナンセンスなことを思いつくとは、ニーナは気でも触れてしまったのだろうか?

「じゃあ、名前で呼ぶわ」 考えた末、ニーナはジョンを名前で呼ぶのが一番良いと思ったのだ。

ジョンはすぐ熱狂的に同意したが、 それはその呼び方が二人の年の差を忘れさせ、同年代のように感じさせてくれるからだった。

ニーナがジョンを何と呼ぶかついに決まったので、あとは粛々と話合わなくてはならない。 「ジョン、私はあなたを二回殴ったけどあなたも私に二回仕返しをしたから、 おあいこってことでいいかしら?」

「えっ? 俺のこと何て言った?」 彼の関心は、もはやニーナの呼び方にしかなかった。 彼のことをジョンと呼ぶ人はほとんどいない、 というより、そんな無鉄砲な者はいないのだ。

ニーナの甘い唇でその名前が発音されるのを聞くのはどんなに心地よいことか!