ヘレンが再び台所から出てくると、ジョンがニーナをテーブルに押し付けてキスしているのが目に入ったので、 すぐさま手で目を隠し「ああ、近頃の若い者は!」と溜息を吐いた。 近頃の若者たちはこんな朝っぱらからイチャイチャしないと気が済まないのだ。

ヘレンはそっと踵を返すと二人に気づかれる前に台所に戻り、 もう一杯お粥を作ることにした。 ところが、お粥がほとんど出来上がったとき外の音はさっきより激しくなっており、 ヘレンは気恥ずかしさのあまり顔を赤らめながら、お粥に棗をのせる。

十分ほどすると、外でイチャイチャする音は静まった。

ヘレンはもう十年以上もジョンの世話をしているが、 彼はこれまでイチャイチャどころか、女性が近づくことさえ許さなかった。

ヘレンはこの絶好の機会を利用してサムにご注進に及んだが、 そのとき初めて、ジョンが連れてきた女性が彼の妻であるということを知ったのだった。

そして、嬉しさのあまり有頂天になる。

ジョンももう三十路なのだから、 そろそろ家族を作るべき時がきたというわけだ。

その上、赤ちゃんが一人二人できればノースヤードは活気に溢れた暖かい家庭になるに違いない。

ヘレンはニコニコしながら、今しがた作り終えた朝食を二人分持って出て行った。

「シー ご夫妻、 朝食のお時間ですよ」

ジョンとニーナはすでに席に着いていた。 ニーナは顔を赤らめて何も言わずに黙っていたが、 ジョンはというとウキウキ微笑んでいた。

何度も知恵比べした結果、彼はどうやってニーナを扱ったら良いのかついに突き止めたのだ。 彼女は酔うと気弱になってベタベタひっついてくるので、身体でコミュニケーションをする上で一番従順になってしまうということだ。