ニーナが車から降りるや否や冷たい夜風が吹き付けたので、彼女は寒さに身震いし、 再びジョンに寄り掛かると両手で彼の首にまとわりつき、頭を肩にもたせかけた。

ニーナが前に歩きながら力なくしがみついてくると、ジョンは興奮した。 流石の彼も戸惑っているようで、思わず二度も唾を飲み込む。

「これじゃあ拷問じゃないか!」 彼はそう思った。

そして向きを変えるとニーナを寝室に運び込む。

毛布にくるまれた彼女の身体がとても大きく見える一方、 ジョンのほっそりした姿は遠くから見るとまるで竹にぶら下がったパンダのようだ。

ヘンリーは目の前で繰り広げられているロマンチックな光景を見てワクワクし、サムにメッセージを送って、ジョンとニーナがまもなく本物のカップルになるだろうと大喜びで報告した。

「お嬢ちゃん、ちょっと。 離してくれよ」ジョンはニーナを眠らるためそう言った。 しかし、ニーナはタコのようにぴったりとまとわりつき、ジョンを離すつもりはないようだ。

そして、何を言っても行かせてくれないので、

ジョンが隣で横になって彼女を眠らせるしかなかった。