ハニー、俺の隣に戻っておいで

ということは、これを仕組んだのは他の誰かだと考え始めた時、個室の外から諛うような声が聞こえてきた。 ニーナはその声の主が誰かわからなかったが、彼が言及した名前には思わずショックを受けた。

「シーさん、 こちらへどうぞ」

「わかった」

ドアが軋み、のっぽとちびの男二人が入ってくると、 談笑していた人々はいきなり立ち上がって挨拶をする。

背の高い方はジョン、 低い方はジュ氏だった。 実を言うと彼も背が低いわけではないのだが、 一メートル九十センチあるジョンの横に並ぶと ジュ氏は 小柄に見え、見劣りがするのだった。

二人は同年代なのだが、ジョンは ジュ氏よりずっと若く見える。

ジョンは男として非の打ち所がなく、ニーナでさえ少し羨ましいと思うほどだ。

その時、アダムズの上司ウィルソン・シーが肘を小突き、 「こちらは エンターテインメント業界の重鎮、ジュさんです。 15億円の投資をご検討されていらっしゃいます」と言った。

要するに、ニーナがジュ氏を存分に楽しませれば 彼らに百億円が手に入るということらしい。

「なんで、その人なの?」 アダムズは慌てた顔で急いでニーナを自分の背後に押しやり「ニーナ、帰ろう」と囁く。

しかし、ウィルソンは、アダムスが15億円の価値があるニーナと一緒に立ち去ろうとしているとわかるとすぐに、「何しているんだ? ジュさん はここにいらっしゃるじゃないか。 帰ってどうする。 プロジェクトはどうするつもりなんだ? このプロジェクトを続けたいんだろ? 彼女はおまえの娘ではあるまい」