ジョンは女性にまったく興味がないとずっと思い込んでいた大物たちは、驚きのあまり言葉を失ってしまった。

お嬢ちゃんだって!?

ジョンはそういうタイプの女性に夢中になるということか。

ジョンの歓心を買おうとして彼らが送った女性たちがことごとく追い返されたのも、なるほど不思議ではない。

あれだけたくさんの女性たちを差し置いてジョンに愛され、大切にされるとは、一体どんな美しい人なのだろう?

中を覗こうと一人ずつビリヤードルームの方へ走りよったが、見えたのは女性の背中で、 横顔を拝むことすらできなかった。

ジョンにお気に入りの女の子がいるというニュースは瞬く間に広まり、 じきに街中が、ジョンには若い恋人がいるという噂を耳にすることになった。しかし、若いといってもどのくらい若いのか誰も知らないので当惑してもいた。

「シーさんは 今夜大事な先約があるようですから、提携の話はまた別の日にしましょう」と言う者があり、別れを告げていなくなると、他のビジネスマンたちは賢明にも彼に従った。

ジョンはゆっくりと振り返り、豪華なビリヤードルームのドアの前にそっと立ち尽くす。

ジェームズはジョンを見つけるや、すぐに興奮して「ニーナ、見て! 俺の叔父さんがドアのところに立っているぞ」と報らせた。

彼は叔父に会えるのが嬉しくて飛び跳ねた。

「本当?」 ニーナは少々驚いた。しかし、すべてジェームズが骨を折ったおかげだったのだ。

ニーナがジェームズにしかるべき感謝の言葉を口にする前に、愉快な猿のように活発な彼はすでにジョンの前に立っていた。 そして狂ったように「ジョンおじさん、こっちですよ。俺の綺麗な先輩を紹介します」と叫んだ。