(ところが、あなたはイザベラが殴打されているのを眺めているニーナをビデオを撮り、それをチャン家に渡しました。 その結果、ニーナはチャン家に狙われトラブルに巻き込まれたんです)

「後はご存知の通りです」
ご存知どころの話ではない。百も承知である。

ジョンは手許の情報に素早く目を通すと、ニーナが誤解を受けて侮辱され、訳もなく責められている投稿に目が止まった。

「なるほど、何でイザベラがニーナに無実の罪を着せようとしていたのかようやくわかったぞ。 あいつ、大胆にも俺をダシにしやがって!失敗したのは運が良かった。でも、一つわからないことがある。ニーナは、どうしてキャンパス・フォーラムで彼女を嵌めたのがイザベラだとわかったんだ?アルバートが手伝ったのか?それから、イザベラはどうして彼女を殴らせたのがニーナだってわかったんだ?ニーナは賢いからそんな簡単に尻尾を掴ませないと思うんだが。何がまずかったんだ?」

ヘンリーは答えようがないので黙っていた。

(チャン家に情報を漏らしたのはあなたの叔父さんですよ)

ヘンリーはジョンを一瞥すると、案の定彼の顔は墨のように暗かった。 確かに、ジェームズはジョンを怒らせる方法に関してはいつだって事欠かないのだ。

その紙切れとニーナに対する悪意ある発言がジョンの目をチクチク刺激する。 彼女がこんなにひどく中傷されたいうのがにわかには信じられないのだ。