西の空が茜色に染まり、イルミネーションを目的のお客様で混雑し始めた。


 家族連れ、カップル、ちょっと早いクリスマスイルミネーションの色とりどりの飾り。


 暗闇の中光りが段々と輝き始め、人の波の中しっかりと手を握り、歩きながら感嘆の声が聞こえてくる。


 春には有名な藤の花の場所、そこには花の代わりに光の花が、上から下へ伸びている。


 私も、雅姫さんも、光の下へ行き思わず下から見惚れてしまう美しさ。

 イルミネーションでこんな事が出来るなんて凄い、私の目も楽しくてキラキラしてる。

 雅姫さんも“キレイだな”


 白の花の光の棚、青の光の棚など、スマホで写メを沢山の人達が取っている。


 私達もせっかくの記念なので写メを、本当にキラキラしてステキ。


 外の売店にもカワイイお土産も沢山あってワクワクしてくる。向日葵のプレゼントを悩んでしまいそう。


 せっかくだから藤の花を使った商品を買って帰ろうかな、石鹸からはふんわり甘くて優しい香り“これちょっといいかも”


 少し身体を温めたくて、私はホットチョコ、雅姫さんはブラック飲み、光りのアーチを拔けると…そこはおもちゃの町。


 絵本の世界みたいで、可愛すぎる!


 子供に戻りそう!、はしゃいでいる私を見ていた雅姫さんは、クスクス笑っている。


 はしゃぎすぎて隣のカップルにぶつかり、“ごめんなさい”


 雅姫さんのちょっと呆れ顔。


 だって…楽しみだった、二人でこんなにゆっくりな時間なんて初めてだから。


 手と手を繋ぐ時間も…。


 『来て、良かったな』

 私は元気に「はい!」と、また頭をナデナデしてくる〜。


 足元から溶けちゃうよ。


 上目遣いにチラッと見つめれば、不意をついた “キス”!


 ちょっぴりコーヒーの味。


 雅姫さんのキスは私を笑顔にしてくれる最高の薬。