HONEY BUNNY P!NK♡⦅前編⦆

やんのかコラァ！と、ハブとマングース状態になっていた私の腕をくいと引く手。モモちゃんが、堪え切れないといった顔で笑う。


「これからこの人とデート？なので、勘弁して下さい」
「モモちゃん！！」
「アﾞーーッ！アミカに負けるなんてくﾞやﾞしﾞいﾞいﾞいﾞ」


どこから取り出したのか、華麗な刺繍が施されたハンカチを取り出して古典的な負け犬ポーズをとるニーナちゃんと、大橋さんや堀ちゃんをはじめ苦笑いで手を振って見送ってくれるスタッフさん達にこちらも手を振って別れを告げる。んふ、んふふ。デートだって。


「バイトまであと一時間ぐらいあるんだっけ？」
「はい。思ってたより早く終わったので」
「それはモモちゃんが優秀なモデルさんだったからだよ」
「いえ、俺は……」


なにかを言いかけて、不自然に顔を逸らされた。え、やだ寂しい。