普段の自分だったら秒で切れて逃げていたと思う。そうしなかったのは衣類をタダでくれるという有り難すぎる厚意と、亜未夏さんの顔。芸能人――モデルだなんてぶっちゃけ信じてなかった。でも。
『ねー、ユキちゃんこれどう?』
『うーん。彼、ブルベ夏なのでこっちの色の方が合うと思います』
『やっぱり?ユキちゃん信用できるなー』
『恐縮です』
『あ、ミヤ~!スニーカーとローファーはどうなってる?』
『色違いとデザイン違いで数点お持ちしました。あとは念のために前後のサイズも揃えてお持ちしています』
『ミヤもやるね~!ナイスだよ!』
『ありがとう御座います!』
服に対して真剣で、妥協もせず、常にプロの顔をしていた。この顔を知っている。仕事中の大将と同じ顔だ。だからこそ、ああ、本物なんだなって。後頭部を突然殴られた気分だった。良い意味で。
好きなことを極めた人はこんなにも輝いているんだと。いきいきしているんだと。衝撃だった。俺と関わりを持とうとする欲まみれの穢い大人達とは違う、全然違う。そんな女性にはじめて出逢った。
『ねー、ユキちゃんこれどう?』
『うーん。彼、ブルベ夏なのでこっちの色の方が合うと思います』
『やっぱり?ユキちゃん信用できるなー』
『恐縮です』
『あ、ミヤ~!スニーカーとローファーはどうなってる?』
『色違いとデザイン違いで数点お持ちしました。あとは念のために前後のサイズも揃えてお持ちしています』
『ミヤもやるね~!ナイスだよ!』
『ありがとう御座います!』
服に対して真剣で、妥協もせず、常にプロの顔をしていた。この顔を知っている。仕事中の大将と同じ顔だ。だからこそ、ああ、本物なんだなって。後頭部を突然殴られた気分だった。良い意味で。
好きなことを極めた人はこんなにも輝いているんだと。いきいきしているんだと。衝撃だった。俺と関わりを持とうとする欲まみれの穢い大人達とは違う、全然違う。そんな女性にはじめて出逢った。



