頭を過るのは、王子さまがお姫さまの手の甲に口付けをするシーン。
「うっ、ううぅ、ふぐぅ」
「なに珍妙な声で鳴いてんですか」
「なななな、なっ、ないて、ない!」
「……爪、今朝までは凶器かってぐらい尖ってて、花やら蝶やらついたゴッテゴテのやつでしたよね。お気に入りって言ってたのに」
にぎにぎ、さわさわ、爪を好き勝手弄って、最後に縁をなぞる。
「もしかして、俺の、……為?」
――負けた。負けました。完敗です。白旗ぶん回しちゃう。
一回り近く歳の離れた高校生の男の子の一挙一動に振り回されて、まんまとドツボにハマって。初恋みたいに照れちゃって。うん、降参。
「うっ、ううぅ、ふぐぅ」
「なに珍妙な声で鳴いてんですか」
「なななな、なっ、ないて、ない!」
「……爪、今朝までは凶器かってぐらい尖ってて、花やら蝶やらついたゴッテゴテのやつでしたよね。お気に入りって言ってたのに」
にぎにぎ、さわさわ、爪を好き勝手弄って、最後に縁をなぞる。
「もしかして、俺の、……為?」
――負けた。負けました。完敗です。白旗ぶん回しちゃう。
一回り近く歳の離れた高校生の男の子の一挙一動に振り回されて、まんまとドツボにハマって。初恋みたいに照れちゃって。うん、降参。



