(ううぅ、こっちだって勘弁してだよ~!)
付き合いたての中学生かってぐらいにお互いモジモジして、目も合わせられず、小さな咀嚼音だけをせっせと作り出す。い、居たたまれない。こういう時ってどうすれば良いんだっけ。
手を繋いだわけでも、キスしたわけでも、ましてやセックスしたわけでもないのにこのむず痒さと気まずさなに~!自分が乙女になったみたいでヤだ。ヤだあ!私は、もっと、こう!アレじゃん!爛れた感じのアレじゃん?!だってアラサーだよ?!酸いも甘いも全部それなりに経験してきたのに、それなのに、今さら、
「…………あ」
「っ、え!な、なに?」
「爪」
今度こそ息の根が止まった。そう、もう、呼吸どころか心臓が止まった。モモちゃんの細くて長い指が、カフェオレマグを包むようにして持っていた私の手に触れ、そのまま彼の目の前まで連れて行かれる。



