「ごめんね、今日はお目当てがあるんだ」
サングラスを少しだけずらして頭を下げる。呼び込みの男の子達は大袈裟に「ざんね~ん!」と言いながらも深追いをしてくるでもなく、爽やかでいいなって思った。悪質なキャッチとは違うもんね。
(みんなかわいいし、良い雰囲気でワクワクするなあ~)
七生くんに事前に聞いていた場所まであと少し。というか、さっきからイヤ~な予感がしてるんだけどどうか当たりませんように。当たる気しかしないけど。いやまさか。そんな。あの行列の先が目的地だなんて、そんなあ!やっぱり?!そうなの?!うそでしょ!バチボコに大人気店じゃん?!全盛期のタピオカドリンク並じゃん?!
「ええぇ……これ私いっても大丈夫ぅ?邪魔になんないかな……」
ぽつり、誰に言うでもない完全な独り言のつもりだった。



