「……柚月さん、聞いて欲しいことがあるの。わ、私……私……!」

顔を赤くして、宮内さんは俯いた。少し俯いていた宮内さんは、顔を上げると僕を見る。

「……私、柚月さんが好きなの。気付いたら、恋愛対象として見てて……でも、私と柚月さんは同性だから……諦めるしかないって思ってる……それでも……!伝えたかった。私は美容師で、柚月さんはお客さん……だから、伝えるタイミングがなくて……」

「……!」

宮内さんの言葉に、僕は驚いた。

「……ごめんなさい。急な話で驚いたよね……」

「……そうですね。正直、宮内さんが僕のことを好きでいるとは思いませんでした……でも、嬉しい……僕、宮内さんに一目惚れしたんです……でも、宮内さんが言うように生物学的に見ると僕と宮内さんは同性だから……諦めるしかないのかなって、思っていました……」

ドキドキしながらそう返事をすると、宮内さんは思い切り立ち上がると僕に近づいてくるとぎゅっと僕を抱き締める。

「……宮内さん、ちょっと離れてもらっていいですか……?」

僕の言葉に、宮内さんは悲しそうな顔をしながら僕から離れた。僕は、立ち上がると宮内さんと向き合ってから宮内さんを抱き締める。