生徒会室に一人、やることがあるとか羽花には言ったが特にやることはない。自分の不甲斐なさと羽花を独り占めしたいと思う独占欲に少し嫌気が差した。


「泣かせちゃったな……」


 俺は高校生の羽花しか知らない。まさか小学生のころイジメにあってたなんて思っても見なかった。それに週六でバイトって、女子高校生のお小遣い稼ぎとはレベルが違う。


「本当に羽花は昔っから頑張りやなんだよな……」


 椅子から降り南側の窓の縁に軽く腰掛けた。


 生徒会室は一階にあり、窓の外は色々な花が咲く花壇が一望できる。バラやツツジ、ポピーとかいう名の花も咲いているが俺は別に花が好きな訳じゃない。その花を育てている女の子が好きだった。いや、今も好きだ。