「俺、好き嫌いとかないから大丈夫だよ。羽花が作ったものなら尚更なんでも美味いから」


 うぅ、優しい、優しすぎます。優しすぎてとけてしまいそうです。


「じゃ、じゃあ食べましょう」


 向かい合って座り頂きますをする。
 いちよう左手でも食べやすいようにフォークを出したけど、大丈夫かな。


 雷斗くんは左手で食パンを持ちガブリと一口。サクサクと香ばしい音が鳴る。


「うん、美味いよ」


「食パン焼いただけですけどね」


「ははっ、確かに。これからは毎朝羽花の朝ご飯が食べれるとか怪我して良かったかもな」


 サクサクと食パンを食べながらサラリと嬉しいことを言う雷斗くん、多分、いや絶対この人モテモテな人に違いない。


 よかったですね、とか簡単に受け流せば良かったのかも知らない。でも恥ずかしくて、嬉しくて、何も言い返せない。赤面しているであろう顔を俯かせながら私もササッと朝ご飯を食べた。