息をすることが難しく、苦しくて酸欠になりそうなのに、なんだか唇を離すのが勿体無いと思ってしまう。


 あぁ、でももう駄目だ。苦しい、そう思った瞬間に唇は離れ私は大量に酸素を取り込んだ。


「ははっ、顔真っ赤。少し大人になっちゃったな」


 満足そうに口角を上げる雷斗くんは意地悪な笑顔で私の唇にそっと指を置いた。


「なっ……」


 キスの余韻がすごくてうまく口が回らない。


「これからも少しずつ俺と一緒に大人になっていこうな」


 意地悪な笑みからスゥっと太陽のような優しい笑みに変わった。


 優しく私の頬に触れ、額に唇を押し付けられた。なんだか約束のキスみたい……嬉しくて涙が出そう。


「なぁ、もう一回していい? 今の羽花が可愛すぎて我慢できない」


「え? ちょっ、ら、雷斗くっ……」


 また私の中に入ってきた雷斗くんは息つぎの合間に何度も何度も「好き」を繰り返しながら、キスをした。


「っ……はぁ、もうこれ以上は俺が無理だわ。起きよっか、先にリビング行ってるから羽花は落ち着いたらおいで。顔真っ赤だからな」


 息が上がってうまく返事が出来なかった。何度か深く深呼吸をし乱れた呼吸を整えてスマホを見ると時刻はもう朝の六時。