「ん……あ〜羽花おはよ」


 やっと目を開けた雷斗くんはヘラっと笑った。気だるい感じも国宝級の美男子です。


(って、ちがーーーう!)


「雷斗くん、離れてください。どいてっ」


「え〜、いいじゃん。羽花の肌が冷たくて気持ちいいんだよ。もう少し触れさせて」


 足をすりすりと絡ませてくる。絡み合っている自分たちの足、な、なんだか凄く破廉恥な気がします……


「だだだだダメです! もう起きてください! 遅刻しちゃますよ!」


 上を見上げた瞬間唇が重なり、チュッと音を鳴らして離れた。


「やっ……」


「ははっ、顔真っ赤。タコみたいでかーわい」


 さらにその唇は額に、頬に、そしてまた唇に戻ってきた。いろんな所にキスを落とされなんだか身体が熱くなりすぎてくらくらする。


「ら、雷斗くん、もう止めてください……」


「いーじゃん。羽花はもう俺のもんだろ? なぁ、俺らもうそろそろもう一段階上がろっか?」
 

「へ?」


 どういうことでしょうか?


「羽花、口開けて」


 口を開ける? なぜでしょうか? 雷斗くんに言われるがままに私は口を開けた。


「んんっーーー……」


 開いた口の間からぬるりと柔らかくて温かい物が滑り込んできた。食べられてしまいそうな激しいキス。初めてのことに動揺が隠せない。逃げ回る私にすぐに追いついてきて絡んでくる。



 こんなキス、私は知らないーー