布団のぬくぬくした暖かな温もり……いや、むしろ暑い! 喉の乾きで目が冷め目を開けるともそっと動く影。私の身体はしっかりとその影の四肢にホールドされていて身動きが取れない状況だ。


「ま、ま、またですかあぁぁぁぁぁっ! 雷斗くん起きてくださいっ!!!」


 なぜか半裸の雷斗くんに抱きしめられたまま彼の胸元に向って叫んだ。かろうじて動かせる右手でポカポカと雷斗くんの身体を叩くがびくともしない。


(ううぅ、こんなの心臓が破裂して死んでしまいますっ)


 現に私の心臓の音は盛大にバクバクと大音量を鳴らしていた。


(いや、半裸はこの同棲生活でなんとか慣れました。慣れましたけどっ。ぴったりくっつくのはまだハードルが高すぎますぅぅぅぅ)


 しっとりとした雷斗くんの肌の温もりを直に感じる。きめこまかい肌はつるつるで、無駄なお肉の無い引き締まった身体はなかなか私を離してくれない。こんなの生地獄、いや地獄じゃないけど、嬉しいですけどっ、天国っていうのもなんか違う気がする。