「お、お母さん!?」


 なんでこんな所にお母さんが!? 物凄い勢いでずいずいと私達に寄ってくる。


「よくやったわ、羽花。お母さんは羽花のこと信じてたわよ」


「えっ? 何? えっ?」


 どういうこと!? 雷斗くんもこの状況を飲み込めないらしく、慌てて「お母さんこんにちは」と挨拶したきり言葉を発しない。


「雷斗くんのお父さんがこの前うちに来たのよ。色々話を聞いて今日のパーティーのことも聞いていたわ。でもその様子だと二人は乗り越えたようね! お母さんは初めて雷斗くんに会ったときから只者じゃないとは思っていたからこそ、羽花のことを頼めたのよ。彼ならきっと大丈夫って母親の勘がそう言っていたの。本当によくやったわ、羽花。雷斗くんと幸せになりなさい。羽花の部屋はもうすでに妹たちに占領されているから喧嘩しても帰ってこれないわよ?」


「お母さん……ありがとう。これからも雷斗くんと一緒に住んでもいいってこと、だよね?」


「もちろんよ。お父さんは心配だのなんだのほざいてたけど、今の羽花にとって幸せなのは雷斗くんと一緒にいること、でしょう? 雷斗くん、羽花のことお願いしますね」


 お母さんは雷斗くんに頭を下げた。なんだか私がお嫁さんにでも行くような雰囲気だ。


(あれ? でもずっと一緒にいるって雷斗くん言ってくれたから……え、ゆくゆくは、け、け……)