「お、お邪魔しましたっ」


 パタンと扉が閉まり自分の言った言葉が気になりだした。


(あれ? お邪魔しましたじゃなくて、失礼しましただったかも!? やってしまいました……)


 でも落ち込んでいられない。ついにこの盛大なパーティー会場に足を踏み入れるのだから。


 慣れた手付きの雷斗くんにエスコートされ会場に入る。それはもう別世界に迷い込んでしまったようなキラキラとしたラグジュアリーな世界。広いホールにものすごく高い天井、そこには一際光り輝く大きなシャンデリア。貴族が食べるようなオシャレな料理がテーブルには広がっていて、パーティー会場にいる人たちは皆綺麗なドレスやスーツを着ているので王様やお姫様に見えてきた。身体が小刻みに震える。こんなところに私がいてもいいものなのかと。


「圧倒されてる? でも大丈夫。背筋を伸ばして堂々と俺の隣に居な」


 腰を抱き寄せられ彼に触れると信じられないくらい落ち着いてきた。


 大丈夫、雷斗くんと一緒なら。