「羽花」


「雷斗くん?」


 パッと目をあけると鏡に写ったのは初めて見るスーツ姿の雷斗くん。ネイビーのスーツに華のある金色のネクタイ。ベストも着ているので全体的に引き締まっていてスタイルの良さが余計に目立つ。


「わ……かっこいいです……」


(やっぱり雷斗くんは国宝級美男子です)


「ははっ、羽花も。凄く綺麗だよ。やっぱりよく似合ってる」


 優しく目を細めて微笑む雷斗くんになんだか大人の色気みたいなものを感じてしまい、ドクンと心臓が高鳴った。か、かっこよすぎます……


「じゃあ、行こうか」


「……はいっ!」


 差し出された手を取り私達は歩きだした。