自分で言葉にしてみると現実味がふつふつと湧いてきて胸をギュッと誰かに締め付けられているように苦しくなる。怪我が治ったら一緒には住んでられないかもしれないと、思って落ち込んでいた矢先にまさか別れさせられるなんて思ってもいなかった。でもそれだけは絶対に嫌だ。嫌で、嫌で、嫌すぎて、涙が溢れてくる。泣くつもりなんてなかったのに、嫌で、嫌で、お父さんから認めてもらえない自分が悔しくて、溢れる涙を止められない。


「羽花、大丈夫だ。俺はこの先、羽花しか好きにならないし、俺の側から離すつもりも全くない。やっと手に入ったんだ、一生羽花のこと離さないからな」


 優しく包み込んでくれていた腕に力が入り更に強く抱き寄せられる。私は雷斗くんの腰にすがりつくように腕を回した。


「羽花……多分パーティーは凄く威圧感も凄いだろうし、羽花も色んな人からジロジロ見られては、なにか言われるかもしれない。嫌で、逃げ出したくなるかもしれない。それでも俺と一緒に頑張ってくれるか?」


 私を抱きしめる方がほんの少しだけ震えている。雷斗くんも不安なんだ。大きな会社の社長にいつかはなるってことは私には全く想像できないけど、かなりの重圧なんだろう。そんな震える彼を私が笹あえてあげたい。近くで守ってあげたい。雷斗くんが私にしてくれたように、私も雷斗くんの力になりたい。