「なに、何が言いたいわけ?」


「ならお前たちの本気を見せてもらおうじゃないか。雷斗には参加するように連絡したはずだが、今週の土曜日、うちの会社五十周年パーティーにそこの小娘も連れてこい。雷斗の隣にふさわしいか見せてもらおうじゃないか。うちの会社の役職や、たくさんの企業の重役の方々を招いてある。そんな人たちからの重圧にただの小娘が耐えられるかな」


 ジロリと足の先から頭のてっぺんまで見られたような気がした。私は今お父さんに試されている。ここでおじけついたらリングに上る前から不戦敗になってしまう。


「わ、分かりました。私も参加させて頂きます!」


「羽花、いいのか?」


「もちろんです。私じゃ至らない所はたくさんあると思います。それでも雷斗くんとの一緒の未来のために頑張らせてください」


「羽花……分かった。親父、俺たち二人で参加する」


「あぁ、お手並み拝見させてもらうとするよ。後で会社の資料を送る。それを全て覚えてくることだな。じゃあ今日は失礼させてもらうよ」


 スッと立ち上がったお父さんは身長が高く座って居るときよりも更に迫力があった。