「アイツのこと羽花は本気で好きなの？」


「うん。好き……始めて私が好きになった人だから」


　いつの間にか好きになっていた。出会った頃よりもどんどん、どんどん好きの気持が増えていき身体から溢れ出てしまいそうなくらい、好き。


「初めてか……なぁ、羽花」


「うん？」


「俺の初恋は羽花だよ。小学生のころからずっと羽花が好きだった」


「え……」


　急速に心臓がバクバクと動き出す。翔ちゃんが私を好きだなんて全く気づかなかったし、知らなかった。


　どうしよう……なんて言葉に出せばいいのか正解が分からない。頭の中が真っ白だ。


「ははっ、やっぱり困らせちまったな。ごめん、でも好きなんだ。小学生のころ羽花の事守ってやれなくてごめんな。あの時から俺は羽花の側にずっと居るって、守ってやるって思ってた。思ってたけど、羽花の事を本当に守ってくれるのは俺じゃ無かったんだなって思い知らされたよ。俺は羽花のことを守っているつもりでただ見守ってるだけ、羽花のことを殻に閉じ込めてるだけっだったんだよな」


　無理矢理笑う翔ちゃんの顔はあの時、小学生の時に私がイジメられて自分も巻き沿いをくらって悪口を言われてしまったときと同じような表情をしている。辛いけれど無理矢理笑っている顔。


　私はまた、翔ちゃんに辛い思いをさせてしまっているのだ。


　それでも……私は……