「い、嫌ではなかったんです」


「え?」


「い、嫌ではなかったんです! むしろ嬉しかったんです、でも恥ずかしくてっ」


(え、なにこの可愛い生き物。もう無理。絶対離さない)


 羽花の腕をひっぱりながら人混みをどんどん掻き分けて進む。


「あ、あのっ、雷斗くんどこにいくんですか!?」


「もう無理、我慢の限界」


「へ? どういうことですか?」


 やっと着いた目的地。時間にしては三十秒くらいだったかもしれないが俺にはかなり長く感じた。


 生徒会室のドアを思いっきり開け、羽花を中に閉じ込めた。


 よく分かっていず、困惑している羽花を思いっきり抱きしめる。小さくて柔らかなこの身体、指一本他の男に触れさせたくない。


「ら、雷斗くん?」


(はぁ〜、もう無理可愛い声で俺の名前呼ぶとかもう……)


 どうしたの? と書かれている羽花の顔。顎を持ちクイッとあげ、容赦なく彼女の唇に自分の唇を重ねた。


 ビクッと一瞬強張った身体が徐々に柔らかさを取り戻していく。俺に見を委ねてくれていることがよく分かり、なかなか唇を離してやることができない。