「雷斗くん」


「ん……」


 流れ、なかなか止まってくれない涙を拭いながらしっかりと彼の気持に答えるべく雷斗くんから顔をそらさない。


「私、文化祭が終わって、
自分にすこしでも自信がついたら雷斗くんに言おうと思っていたことがありました。でも、もう今言ってしいまいますね」


「え、待って、何言われるか怖いんだけど……」


 ああ、緊張する。口から心臓が飛び出てきそうなくらい大きく動いている。


 言わなくちゃ、自分の口から好きですと伝えなきゃ。頭の中では分かっているのになかなか声に出せない。乾く口腔内、飲み込んで喉を潤す唾液さえもでなくてカラカラだ。


 でも言わなくちゃ、今言わないとダメな気がする。