「羽花、もう片付けは殆ど終わりだし帰って大丈夫だよ。会長のこと待たせてるんでしょ?」


「明日香さん、でもそれは悪いので最後まで片付けますっ」


「いーの、いーの、羽花は今日すごく頑張ってくれたから。てかもう終わりだしさ、早く行った行った〜」


「うう〜、ありがとうございます! 明日も頑張ります!!!」


「うん。頑張ろうね。また明日」


 鞄を無造作に持ち急いで廊下に出るとスマートフォンをいじりながら私を待つ雷斗くん。私の姿にいち早く気づいてくれこちらに寄ってきてくれた。


「雷斗くんお待たせしました」


「ん、じゃあ帰ろうか」


「はいっ!!!」


「なに、凄い楽しそうだね」


「はいっ、すっごく楽しいです。本当に雷斗くんのお陰です!」


 廊下を二人で並んで歩く。視線は突き刺さるが今は最初ほど痛くは感じない。