肯定してるけど、否定している
いったいどっち?

それに昨日の夕飯、誘われた現場を見られている
しかも、今日、いつもはワックスかなにかで軽く逆立ていて整っている前髪がちょっと乱れているような・・・なんか生々しい

朝帰り・・・なんか凄くリアル

もしかして、ガード緩い岡崎くん、健在だった・・の?



「朝帰り先生は放っておいて、まおは真面目に勉強!このツナマヨ、有効に使おうぜ。評価するんだろ?」

『・・・・・』

「まお、俺、ツナマヨ食べたい。早くしないと俺、居眠りするぞ!」

『い、居眠り?!・・・ダメです。評価、今すぐしましょう!長谷川さん』


岡崎先生の朝帰り疑惑になぜか動揺せずにはいられなかったあたし。

でも、居眠りという恐ろしいキーワードのせいで、自分が居眠りしていたことがばれたらマズイとも感づいたあたし。

岡崎先生から奪い取ったツナマヨおにぎりをチラつかせている長谷川さんを強引に引っ張って、彼の病室へ向かった。

そして辿り着いた長谷川さんの病室で、彼にツナマヨおにぎりのパッケージ開けに挑戦してもらい、できる動作とできない動作、工夫すればできる動作と工夫してもできない動作を具体的にしっかりと評価できた後。

「岡崎先生の焦った顔、初めてみたな。しかも、俺らのリハ室去り際に、長谷川くん、まおって呼び捨て~?!って変な声あげてるし。」

長谷川さんができなかった、白飯に海苔を巻き付ける動作をあたしが介助して完成したツナマヨおにぎり。
それを彼がおいしそうに頬張りながらそう言った。


『・・・・・朝帰りで朝ごはん抜き・・・・・朝帰りって朝ごはん食べられないんですか?』

「まお、寝不足すぎて頭、おかしくなった?」

『だって、朝帰りしても朝ごはん食べればいいじゃないですか・・その女の人と・・・』

「朝ごはん食べる暇がもったいないぐらい・・・ヤッてたんでしょ?というか、まお・・・ホント大丈夫か?」


岡崎先生の焦った顔、まおって呼び捨て?!って変な声・・・さっきの長谷川さんのその呟き

あたしも気になったそれら以上に、たった今の長谷川さんの、わかりやすいその解説のせいで胸の奥がズシンと重くなった。